【2022年版】省エネ住宅(エコ住宅)について解説!最新の補助金や基準について紹介
公開日:2022/02/17 更新日:2022/07/29
環境にやさしく快適な暮らしを実現してくれる省エネ住宅(エコ住宅)に注目が集まっています。
省エネ住宅とは、日常生活におけるエネルギー消費を抑えるように設計された住宅のことです。
エネルギー消費を抑えられることに加えて、省エネ住宅には、出費や暮らしやすさの面でもさまざまなメリットがあります。
この記事では省エネ住宅の事例を紹介するとともに、省エネ住宅の種類や基準、2022年に受けられる補助金制度について解説します。
省エネ住宅のメリット・デメリットもわかりやすくまとめているので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
鹿児島のハウスメーカー工務店の省エネ住宅への取り組み
まずは鹿児島のハウスメーカーや工務店が実施している省エネ住宅への取り組みをご紹介します。
それぞれの住宅に省エネのための独自のこだわりが盛り込まれているので、ぜひあなたの暮らしに合う省エネ住宅探しの参考にしてください。
丸和建設の省エネ住宅「省エネ・快適性能にこだわった注文住宅」
丸和建設さんが手がける省エネ住宅は、快適性・環境・経済性の3つのポイントにこだわっています。
高い施工性能と、高性能断熱材・特殊気密材を標準仕様とすることで、冷暖房効率を高めてエネルギーを逃さず、光熱費もしっかり抑えます。
また熱が出入りしやすい窓には「樹脂窓」を採用し熱の流出を抑え、夏は涼しく冬は暖かい快適な室内をキープし、快適な暮らしを守ります。
丸和建設さんは、ZEHビルダー/プランナー評価制度にて、最高評価6つ星を獲得している工務店・ハウスメーカーです。
ヤマサハウスの省エネ住宅「LCCM HOUSE」
ヤマサハウスさんの省エネ住宅「LCCM HOUSE」は、家を建てるときから暮らしている間まで、長期にわたるCO2排出量を削減する環境にやさしい住宅です。
さらに環境に配慮しているだけではなく、太陽光発電の設置と高い断熱性能によって、冷暖房費を大幅に節約できます。
また気温が低い季節でも、暖房のない部屋やトイレの冷え込みを防ぎ、ヒートショックリスクを軽減して安心して暮らせる住まいを実現します。
建築工房匠の省エネ住宅「全棟ZEH対応」
建築工房匠さんが手がける住宅は「快適な室内環境」と「年間で消費する住宅のエネルギー量が正味で概ねゼロ」を両立するZEH対応住宅です。
外皮の断熱性能を向上させるとともに、軒先をしっかり出すことで、夏は涼しく冬は暖かな暮らしを叶えます。
また実発電量が高いと好評の太陽光発電を設置し、太陽光発電を効率よく稼働させるための家づくりを行っています。
建築工房匠さんは、ZEHビルダー/プランナー評価制度にて、最高評価6つ星を獲得している工務店・ハウスメーカーです。
省エネ住宅とは
省エネ住宅とは、冷暖房機器によるエネルギーの消費を抑えるための設計が施された住宅のことを指します。
経済産業省 資源エネルギー庁のHPによると、日本の家庭におけるエネルギー消費の約30%を占めているのが、冷暖房機器によるエネルギーです。
省エネ住宅は、住まいの断熱性能・機密性能・日射遮蔽という3つの要素に配慮し、室内の快適な温度を保ち冷暖房機器の使用を抑えます。
またエネルギー消費を抑えるだけではなく、太陽光発電の設置により、自らエネルギーを作り出すことも省エネ住宅の特徴です。
省エネ住宅の種類と基準(条件)を解説
冷暖房機器によるエネルギー消費を抑える省エネ住宅ですが、省エネ住宅かどうかを判断する基準として国が定める「省エネ基準」にあります。
省エネ基準は、1980年に制定された「エネルギーの使用の合理化に関する法律」の中で設定されており、改正のたびにその基準は強化されています。
省エネ住宅には、複数の種類があり、それぞれで基準や条件が異なります。
ここでは代表的な3つの省エネ住宅「ZEH」「スマートハウス」「LCCM住宅」の特徴や条件について解説します。
ZEHとはどんな省エネ住宅なのか解説
ZEHとは「ゼッチ」や「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」と呼ばれる省エネ住宅です。
高い断熱性能を軸に、効率的な設備の導入によって快適な室内環境の維持と消費エネルギーの削減を実現し、かつ太陽光発電などでエネルギーを作り出し、住宅の一次エネルギーの年間消費を正味で概ねゼロにする住まいのことです。
つまり「断熱」+「省エネ」+「創エネ」を組み合わせることで、エネルギー収支を概ねゼロにします。
ZEHは省エネという側面以外にも、さまざまなメリットがあります。
まずは高い断熱性と効率的な設備の導入によって、冷暖房機器の使用を中心とした光熱費の出費を抑えられるという経済的なメリットがあげられます。
さらにZEHは室内の温度や湿度を快適な状態に保つことができ、心地よい暮らしを実現します。
また太陽光発電によって作られた電気を売電して収入を得られる他、太陽光発電と蓄電池の活用により、災害時などの停電の際も安心・安全な住まいを確保できるでしょう。
スマートハウスとはどんな省エネ住宅なのか解説
省エネ住宅としてのスマートハウスは「IT技術を活用し、住宅の電気設備の管理を行い、消費エネルギーをコントロールできる住宅」を指します。
スマートハウスにおける電気設備には「省エネ」「創エネ」「蓄エネ」の3つのカテゴリーがあり、これらを管理しているシステムがHEMS(home energy management system)です。
- 省エネ:高効率給湯器、LED照明、省エネ家電など
- 創エネ:太陽光発電システムなど
- 蓄エネ:家庭用蓄電池など
HEMSは、これらの電気設備の稼働状況を効率的に制御し、家庭における消費電力を抑えます。
ZEHと同様に、エネルギー消費を抑えるだけではなく、エネルギーを生み出せる住まいであるため、災害時に電気が使えることもメリットです。
HEMSによって自動的にエネルギー消費を制御できるので、こまめな節電を意識しなくても、環境にやさしい暮らしを実現できます。
LCCM住宅とはどんな省エネ住宅なのか解説
LCCM住宅とは「ライフサイクルカーボンマイナス住宅」を意味する言葉で、住宅のライフサイクル全般におけるCO2の排出量を削減することを目的とした住宅です。
住宅のライフサイクル全般とは、建物を建てた人が居住し、そして取り壊すまでの「住まいの一生」を指します。
LCCM住宅では、CO2の排出量が少ない建築材料を選ぶことから始まり、建築段階の廃棄物を削減することでもCO2の排出量を抑えます。
加えて、居住中はZEHやスマートハウスのように高い断熱性能と効率的な設備導入による「省エネ」「創エネ」の観点からCO2の排出量を削減します。
そして取り壊しの際も、廃棄物を抑制できる材料の採用やリサイクルによって、CO2の排出を抑えます。
LCCM住宅は、居住中のエネルギーの年間消費を正味で概ねゼロにするZEHの基準を満たしたうえで、さらに居住前後の建築時と解体時のCO2排出量も削減することを目指した低炭素住宅の先導的モデルと言えます。
【2022年】省エネ住宅に関する補助金・優遇情報
地球規模の気候変動といった世界的な環境問題への取り組みのひとつとして、省エネ住宅の普及促進は国をあげての課題となっています。
そのため省エネ住宅を取得する際には「こどもみらい住宅支援事業」による国の補助金制度が活用できます。
【補助金額60万円~100万円】こどもみらい住宅支援事業
こどもみらい住宅支援事業は、子育て世帯や若者夫婦世帯(※)を対象に、高い省エネ性能を有する新築住宅の取得を促進することを目的としており、条件に該当する場合一定の補助金が支給されます。
※子育て世帯:18歳未満の子を有する世帯、若者夫婦世帯:夫婦のいずれかが39歳以下の世帯
対象となる住宅と補助額は以下のとおりです。
対象住宅※ | 補助金額 |
---|---|
①ZEH、Nearly ZEH、ZEH Ready、ZEH Oriented (強化外皮基準かつ再エネを除く一次エネルギー消費量マイナス20%に適合するもの) |
100万円/戸 |
②高い省エネ性能等を有する住宅 (認定長期優良住宅、認定低炭素住宅、性能向上計画認定住宅) |
80万円/戸 |
③省エネ基準に適合する住宅 (断熱等級4かつ一次エネ等級4を満たす住宅) |
60万円/戸 |
※対象となる住宅の延べ面積は、50㎡以上とする。
※土砂災害特別警戒区域における住宅は原則除外とする。
条件を満たす注文住宅を新築した場合、令和3年11月26日から令和4年10月31日までに工事請負契約を締結したものが補助金の対象となります。
交付申請期限が、令和5年3月末までに延長になりました。
省エネ住宅のメリット
省エネ住宅には、環境や暮らしにうれしいさまざまなメリットがあります。
省エネ住宅は環境にやさしい
ご紹介している通り、省エネ住宅はエネルギー消費を抑えることで、CO2排出量の削減につながる環境にやさしい住宅です。
気象庁のHPによると、日本の年間平均気温は100年あたり1.28℃の割合で上昇しており、特に1990年代以降、高温となる年が多くなっています。
これはCO2などの温暖化ガスによるものと考えられており、世界的な気候の変動は自然災害や食糧生産にも影響を及ぼしています。
省エネ住宅を選ぶことは、地球環境を守り、次世代へと暮らしをつなげていく一歩になるでしょう。
室内の寒暖差が少ない
省エネ住宅は、高い断熱性能を有しており、さらに効率的な設備で室内の温度を快適に保ちます。
そのため夏場は涼しく、冬は暖かい暮らしを実現でき、冷暖房機器のない部屋の冷え込みや高温化も防ぎます。
とくに冬場に多いヒートショック現象(室内の寒暖差により血圧が乱高下したり脈拍が変動したりする現象)は、健康に害を与える可能性も少なくありません。室内の寒暖差が少ない省エネ住宅は、健康面でもメリットがあるといえるでしょう。
遮音性が高いため、騒音が気にならない
省エネ住宅の特徴でもある高気密・高断熱性能は、遮音性の高さにもつながります。
断熱材には室内の音が外に漏れることを防ぐ防音効果もあります。
加えて、気密性を高めるサッシや窓ガラスの採用により、開口部の隙間がなくなり、音漏れも少なくなるのです。
室内の音漏れが少なくなるだけではなく、室外の騒音も室内に響かなくなるため、落ち着いた快適な暮らしができるでしょう。
毎月の光熱費を節約でき、売電収入を得ることもできる
省エネ住宅は高い断熱性能によって、必要以上の冷暖房機器の使用を抑えられるので、月々の光熱費の節約にもつながります。
太陽光発電を設置している場合は、創エネによって光熱費を抑え、さらに売電によって収入を得ることもできます。
とくにMEMSを導入しているスマートハウスでは、システムによる自動制御で節電が叶うため、節約のために家族が過度に節電を意識する必要もなくなります。
補助金制度が活用できる
省エネ住宅の取得に際しては「こどもみらい支援事業」による補助金制度が活用できます。
また各自治体で、独自の補助金制度を実施しているケースもあります。
省エネ住宅の取得を検討する際は、各自治体のHPもチェックしてみましょう。
建物が劣化しにくくメンテナンスの手間が減る
断熱性能と機密性能が高い省エネ住宅は、室内での結露の発生が少ないことも特徴です。
室内の結露を放置していると、建物の劣化につながります。省エネ住宅では結露が少ないため、建物も劣化しにくくメンテナンスの手間も抑えられます。
さらに結露によるダニやカビの発生も抑えられるため、アレルギーや健康被害のリスクも低くなるでしょう。
省エネ住宅のデメリット
暮らしを快適にしてくれる省エネ住宅ですが、取得を考える際には2つのデメリットも考慮しておくことが大切です。
初期費用が高い傾向にある
省エネ住宅は、高い断熱性能・機密性能を実現し、効率的な設備を導入する必要があるため、一般的な注文住宅よりも建築費用が高くなる傾向にあります。
国土交通省の資料によると、木造戸建住宅(6地域、延床面積約120㎡)を想定した場合、新築時に省エネ基準に適合させるためには約87万円の追加費用がかかります。
ZEH基準やLCCM住宅の基準を満たすためには、さらに費用が発生します。
一見初期費用が高くなるため、デメリットのように感じますが、省エネ住宅を取得した場合、月々の光熱費を節約できます。
例えば、東京都23区内で一般的な省エネ住宅を取得した場合、これまでの住宅に比べて年間の光熱費は約61,000円削減でき、ZEH基準の省エネ住宅では年間の光熱費を約160,000円も削減可能です。(※)
※一般社団法人 住宅生産団体連合会発行「快適・安心なすまい なるほど省エネ住宅」より
初期費用が高い省エネ住宅ですが、長期的なコストで見ると家計にやさしい住宅といえるでしょう。
省エネ住宅に対応している住宅会社を探す必要がある
日本の省エネ住宅の基準は、地域によって異なります。
そのため、その土地に合わせた省エネ基準を満たす設計が可能なハウスメーカーや工務店を探す必要があるのです。
また省エネ住宅取得のための補助金制度を利用する場合、住宅の設計にも細かな条件があるため、対応できない会社もあります。
省エネ住宅を建てる際は、省エネ住宅の実績が豊富なハウスメーカーや工務店に相談してみるのがおすすめです。
省エネ住宅を実際に建てた人の感想
ここからは実際に省エネ住宅を建てた人の感想をみていきましょう。
省エネ住宅を実際に建てた人の感想①「ランニングコストが安いのはもちろん、とても暖かくて満足」
木材など自然素材を使っており、とても安らぎます。
寒い地域なので、気候に合わせて断熱仕様をあげてもらいました。
ZEH仕様の省エネ住宅で、ランニングコストが安いのはもちろん、冬でもとても暖かく満足しています。
省エネ住宅を実際に建てた人の感想②「太陽と雨水利用の省エネ・エコハウス」
屋根にのせた太陽光発電システムでお湯を作り、家中のお湯と床暖房に利用している省エネ住宅です。
節約しながらあたたかく快適な暮らしができます。
雨水をためるタンクも設置しており、ためた水をトイレの流し水や植木の水やり、洗車に活用でき、環境へのやさしさもポイントです。
省エネ住宅を実際に建てた人の感想③「環境にも、家計にもやさしいLCCM住宅」
高性能な高断熱高気密住宅なので、リビングに2階の天井まで高さのある吹き抜け空間を作っていますが、室内の暖かい空気が屋外にほとんど逃げません。
少ない暖房エネルギーで、冬場でも家中暖かく維持できます。
屋根には太陽光発電のソーラーパネルを設置しています。
年間で約254,000円分の発電額になっており家計にもやさしいですね。
まとめ
家庭における消費エネルギーを削減し、快適な暮らしを実現してくれる省エネ住宅について紹介しました。省エネ住宅の基本は、高い断熱性能と機密性能、効率的な設備を導入しエネルギー消費を削減することと、太陽光発電などでエネルギーを生み出すことで、暮らしにおけるエネルギーの収支をゼロにすることにあります。
省エネ住宅は環境への配慮だけではなく、私たちの暮らしを快適にしてくれるものです。建築時のコストは一般的な住宅に比べると高くなる傾向にありますが、年間の光熱費を節約できるため、長く住むマイホームを検討している人にもおすすめです。
ただし省エネ住宅にはさまざまな種類があり、地域ごとに異なる基準もあります。省エネ住宅を建てる際には、ハウスメーカーや工務店のホームページやパンフレットをチェックして、実績豊富な会社に相談するといいでしょう。