窓・サッシリフォームで快適な住まいへ!費用相場や使える補助金制度を紹介

外まわりリフォーム

住まいの窓には、さまざまな役割があります。しかし「年月とともに、窓の使い勝手が悪くなってきた」「窓を閉めていても冷気が入ってきて寒い」など、窓に関するお悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか?

ここでは、住まいを快適にする「窓リフォーム」について解説します。気になる費用相場から利用できる補助金制度まで詳しく紹介しているので、ぜひご自宅のリフォームにお役立てください。

窓リフォームで住まいが快適に!目的やメリットを紹介

換気や採光など、さまざまな役割がある窓ですが、リフォームすることで住まいがもっと快適になります。

まずは、窓のリフォームの目的や得られるメリットを見ていきましょう。

窓の使い勝手が向上

窓がガタついていたり、開け閉めの際に引っかかりを感じる場合は、窓のサッシが劣化している可能性があります。窓リフォームでサッシを一新すれば、スムーズに開閉できるようになり、窓の使い勝手が向上するでしょう。

また、窓のリフォームと同時に開け閉めが楽にできるハンドルの取り付けや、指はさみを防止するストッパーの設置などを行えば、さらに使いやすい窓になります。

採光性や換気機能の向上

窓の主な役割には、採光や換気があげられます。

しかし「窓を作ったけれど、あまり光が入らない」「窓を開けても風通しが良くない」といった場合は、リフォームによって窓の大きさを変更したり、新たな窓を増設したりすることで改善する可能性があります。

断熱性・防音性が向上

窓は住まいの「開口部」になるため、夏は外の熱が流入し冬は室内の熱が流出する場所でもあります。

リフォームで窓の断熱性を高めれば、住まいの温度を快適に保つことができます。冷暖房効率も高まり、光熱費の削減にもつながるでしょう。

また、リフォームで窓の遮音性を改善すれば、防音性が高まり、屋外の騒音や室内の音漏れの不安などの悩みも解消します。

防犯対策としても効果的

警察庁の調べによると、令和3年の「一戸建て住宅への侵入窃盗の侵入口」は、窓が全体の51.6%を占めています。この結果からも、住まいの防犯性を高めるためには、窓の防犯性の向上が必要不可欠であることがわかります。 (参考:警察庁 住まいる防犯110番「令和3年 侵入窃盗の侵入口」)

内窓の設置や窓ガラスの交換、シャッター・網戸の設置などのリフォームによって、窓の防犯性を高めて住まいの安全を守りましょう。

【工事内容別】窓リフォームの費用相場

窓のリフォームには、さまざまな工事内容があります。ここからは、工事内容別に窓リフォームの費用相場を紹介します。

工事内容費用相場リフォームの効果
内窓の設置8万円~25万円
断熱、防音、防犯
窓のガラス交換4万円~12万円断熱、防音、防犯サッシの交換3万円~5万円使い勝手の向上、断熱網戸の設置5千円~2万円換気、視線対策シャッター・雨戸の設置5万円~50万円断熱、防犯、防音、災害対策カバー工法による窓交換8万円~43万円断熱、防犯、防音窓の拡大・高さの変更30万円~50万円
(場合によっては100万円前後)
換気、採光窓の増設 (窓を増やす工事)30万円~50万円
(場合によっては100万円前後)
換気、採光窓の縮小 (窓を小さくする工事)20万円~60万円防犯、視線対策窓の耐震リフォーム100万円前後耐震補強

内窓の設置

  • 費用相場:8万~25万
  • リフォームの効果:断熱、防音、防犯

内窓の設置は、既存の窓の室内側にもう1枚窓を設置して二重窓にする工事です。窓が二重になることで、断熱性や防音性が高くなるほか、空き巣などの侵入も抑制するため防犯性も高くなります。

既存の窓やサッシに手を加えることなく工事ができるため、比較的手軽で効果の高い窓リフォームといえます。内窓設置のリフォーム費用は、窓の大きさと設置する窓の種類によって異なります。

窓のサイズ単層ガラス複層ガラスなどの機能性ガラス
腰高窓8万円~9万円9万円~11万円
掃き出し窓17万円~20万円20万円~25万円

窓のガラス交換

  • 費用相場:4万円~12万円
  • リフォームの効果:断熱、防音・防犯

既存の窓枠やサッシはそのままに、窓ガラスのみを交換する工事です。複層ガラスや真空ガラスなどの機能性ガラスに変更すれば、窓の断熱性や防音性、防犯性が高まります。

ガラスだけを交換する作業のため、工期や費用を抑えられる点がメリットです。ただし、機能性の高いガラスに変更する場合は、一般的なガラスに比べて費用は高くなります。

窓のサイズ単層ガラス複層ガラスなどの機能性ガラス
腰高窓4万円前後5万円~9万円
掃き出し窓5万円前後7万円~12万円

サッシの交換

  • 費用相場:3万円~5万円
  • リフォームの効果:使い勝手の向上、断熱

サッシが劣化していると、窓の開閉がしにくく、使い勝手が悪くなります。スムーズな開閉が目的であれば、窓のサッシだけを交換する工事も検討しましょう。サッシの交換は窓まわりの壁を取り壊す作業も必要なく、工期や費用を抑えられます。

また、樹脂サッシへ交換することで、窓の断熱性を高めることも可能です。ただし、断熱性向上が目的であればサッシ交換だけではなく、窓ガラスの交換や内窓の設置も同時に検討しましょう。

網戸の設置

  • 費用相場:5千円~2万円
  • リフォームの効果:換気、視線対策

網戸には、換気時の虫やほこりの侵入を防ぐ、外からの視線を遮るといった効果があります。一般的な網戸であれば、1枚当たり5千円前後と安価な価格で取り付けが可能です。また、ロール式の網戸や防犯性の高い切れにくい網戸などを設置する場合は、1枚当たり2万円前後の費用がかかります。

シャッター・雨戸の設置

  • 費用相場:5万円~50万円
  • リフォームの効果:断熱、防犯、防音、災害対策

シャッターや雨戸の設置は、断熱性の向上や防犯・防音対策になるほか、台風などの自然災害への対策にもなります。

雨戸の取り付け費用の相場は5万円~30万円前後であり、雨戸のグレードやサイズによって異なります。またシャッターの場合は、手動と電動とで価格が異なります。

カバー工法による窓交換

  • 費用相場:8万円~43万円
  • リフォームの効果:断熱、防犯、防音

カバー工法による窓交換とは、既存の窓枠はそのままに、上から新しい窓枠を設置して新たな窓を取り付ける方法です。既存の窓枠や壁の解体がないため、従来工法 (窓枠や壁を取り壊して、外装内装工事を伴う窓リフォーム)に比べると、工期や費用を抑えられます。

カバー工法により、機能性の高い窓に変更することで、断熱性、防犯性、防音性などの向上が期待できます。ただし、既存の窓枠の上から窓を取り付けるので、窓の大きさが少し小さくなることに注意しましょう。

窓のサイズ単層ガラス複層ガラスなどの機能性ガラス
腰高窓8万円~12万円17万円~28万円
掃き出し窓10万円~15万円34万円~43万円

窓の拡大・高さの変更

  • 費用相場:30万円~50万円 (場合によっては100万円前後)
  • リフォームの効果:換気、採光

窓の拡大や高さの変更は、既存の窓を取り外し、窓の拡大や高さ変更に合わせて壁を取り壊し新しい窓を取り付け、さらに外装内装工事を伴う大がかりな工事になります。

それほど大規模な拡張でなければ30万円~50万円で可能な場合もありますが、窓の状態や位置によっては、周辺を大きくリフォームする必要があるため100万円前後かかるケースもあります。

窓の増設 (窓を増やす工事)

  • 費用相場:30万円~50万円 (場合によっては100万円前後)
  • リフォームの効果:換気、採光

換気や採光のために、新たに窓を増設したい場合は、外壁の一部を取り壊す必要があります。窓の拡大と同じく外装内装工事も必要となり、規模の大きな工事です。

また、窓の位置や高さによっては、足場の設置も必要となるため、費用は100万円前後になるばあいもあります。

窓の縮小 (窓を小さくする工事)

  • 費用相場:20万円~60万円
  • リフォームの効果:防犯、視線対策

窓を小さくするリフォームは、それほど多くありませんが、浴室の防犯・視線対策などで行われるケースもあります。窓の縮小工事には「新たに壁を作る方法」と「開口部をパネルで埋める方法」の2種類があります。

新たに壁を作る方法は、仕上がりは美しくなりますが、大がかりな工事となるため費用は高くなります。

開口部をパネルで埋める方法は、壁を作るよりも費用を抑えられますが、外観の統一感が失われる場合があります。パネルで開口部を埋める工事は、主に従来工法の浴室をシステムバスに変更する際に行われます。

窓の耐震リフォーム

  • 費用相場:100万円前後
  • リフォームの効果:耐震補強

窓の位置や大きさは、耐震性にも影響を与えます。特に築年数を経過した木造建築では、南側に大きな窓を複数設けている場合も少なくありません。こういった設計は、採光性の高さは魅力ですが、耐震性が低くなる可能性があります。

そこで、建物の外側から既存の窓に「耐震補強フレーム」を設置することで窓の面積を減らすことなく、耐震性を高めることが可能です。

リフォーム前に要チェック!窓の種類と特徴

窓のリフォームを検討する際は、ご自宅の窓や変更したい窓の種類について、特徴やメリット・デメリットを理解しておきましょう。

ここからは、一般的な住宅で採用されている窓の種類と特徴について紹介します。

引き違い窓

引き違い窓は、左右の窓を横にスライドさせて開閉する一般的なタイプです。省スペースで設置できるため、日本の多くの住宅で採用されています。

開閉操作が簡単で、窓の開ける幅を調整しやすいため、使い勝手の良さがメリットといえます。ただし、標準的な引き違い窓の場合、気密性があまり高くないことに注意しましょう。

上げ下げ窓

窓ガラスを上下にスライドさせて開閉するタイプの窓です。上下両方の窓が動くものを「ダブルハング」、片方のみ動くものを「シングルハング」といいます。

上げ下げ窓は省スペースに設置できますが、小さなお子さんやご高齢の方には、開閉操作が難しい場合もあります。

縦すべり出し窓

窓ガラスの縦方向を軸にして、外側に開くタイプの窓です。引き違い窓に比べると気密性や防犯性が高いことがメリットです。風を取り込みやすく、外観デザインのアクセントにもなります。

ただし、風を取り込みやすい反面、風にあおられて窓が大きく開いてしまったり、開いた時の衝撃でガラスが割れてしまうリスクがあります。住まいと風向きの関係を考慮し、適切なストッパーを設置するなどの対策が必要です。

横すべり出し窓

窓ガラスの横方向を軸にして、外側に開くタイプの窓です。窓を開けていても、雨が吹き込みにくく、天気の悪い日でも換気しやすいという特徴があります。

ただし、横すべり窓は、縦すべり窓に比べると風通しの面では劣るといえます。

FIX窓

FIX窓とは「はめごろし窓」とも呼ばれており、ガラスを窓枠にはめ込んで開閉できないようにしてある窓のことです。

換気・通風の機能はありませんが、光を取り込み、室内を明るく見せます。丸型や正方形、細長い長方形など、形状のバリエーションも豊富で、デザイン性の高さも魅力のひとつです。

ルーバー窓

窓ガラスがブラインドのような形状になっており、ハンドル操作で開閉するタイプです。窓を開けても、外からの視線を遮れるため、トイレや浴室などで多く採用されています。

プライバシーを守りながら換気できる窓ですが、開口部分が多くなるため、気密性はあまり高くない点に注意しましょう。

窓リフォームを成功させるポイントは?

窓のリフォーム工事の内容は多岐にわたります。そこでここからは、窓リフォームを成功させるためのポイントについて紹介します。

リフォーム前にしっかりチェックして、快適な住まいづくりを目指しましょう。

窓リフォームの目的を明確にする

窓リフォームの目的には、次のようなものがあげられます。

  • 窓の使い勝手を高めたい
  • 劣化した窓を修繕したい
  • 断熱性を高めたい
  • 防犯性を高めたい
  • 防音性を高めたい
  • 換気・採光に役立てたい
  • 災害対策をしたい
  • 耐震性を高めたい など

それぞれの目的に合わせて、工事の内容は異なります。また同じ目的でも、複数のリフォームが検討できる場合もあります。そのためまずは、窓リフォームの目的を明確にすることが重要です。

そのうえで、目的と予算に合わせて適切な工事内容を選びましょう。

必要以上の窓の増設・拡大は避ける

大きな窓は開放感があり、明るい住まいづくりを実現してくれます。しかし窓の面積や数は、建物の耐震性にも影響を与えます。そのため、リフォームで窓を増設・拡大すると、耐震性が下がってしまう可能性もあるのです。

窓の増設・拡大を検討する際は、リフォーム会社と相談しながら、耐震性に影響を与えないような設計を検討することが大切です。

マンションの窓リフォームは管理規約を要確認

マンションの場合、住人が個人でリフォームできるのは「専有部分」のみです。専有部分とは、室内の壁や床、水回り設備などの居住空間を指します。それに対して、マンションのエレベーターや室外の廊下、外壁などは「共用部分」に該当します。

国土交通省が標準モデルとして作成した「マンション標準管理規約 (第2章 第7条)」によると、窓枠・窓ガラスは原則として共用部分とされています。

ただし、実際の窓の扱いは、各マンションの管理規約によって定められています。そのため、リフォームを検討する際は、まずはマンションの管理規約を確認しましょう。また、窓が共用部分の扱いであっても、内窓の設置など既存の窓に影響を与えない工事であれば、可能なケースもあります。

窓リフォームで利用できる補助金制度

窓のリフォームでは、補助金制度を利用できる場合があります。特に窓の断熱性などの機能を高めることで、省エネにつながるリフォームであれば、所定の条件を満たすことで、下記の補助金制度が検討できます。

  • 先進的窓リノベ事業
  • こどもエコすまい支援事業
  • 既存住宅における断熱リフォーム支援事業

それぞれの補助金制度について、詳しく見ていきましょう。

※補助金に関する記載は2023年2月現在の情報です。最新の情報については、各公式サイトにてご確認ください。

先進的窓リノベ事業

先進的窓リノベ事業とは、断熱性能の高い窓への交換リフォームに対して、補助金を支給する国の事業です。家庭の冷暖房費負担の軽減や環境保護、省エネルギー化を目的としています。

対象となる工事

  • ガラス交換
  • 内窓設置
  • 外窓交換 (カバー工法)
  • 外窓交換 (はつり工法)

先進的窓リノベ事業が指定する対象製品を用いた上記のリフォーム工事が対象となります。

補助額・補助上限

  • 補助額:各4,000円~183,000円※
  • 補助上限:1戸あたり200万円

※工事内容や窓の性能区分、サイズによって異なります。

こどもエコすまい支援事業

こどもエコすまい支援事業とは、子育て世帯や若者世帯を中心に、省エネ性能の高い住まいの取得や既存住宅の省エネリフォームに対して補助金を支給する国の事業です。

新築住宅の取得においては、子育て世帯と若者世帯が対象となりますが、リフォームでは全世帯が対象となっています。

対象となる工事 (窓リフォームの場合)

  • ガラス交換
  • 内窓設置
  • 外窓交換

※改修後の開口部の熱貫流率および日射熱取得率が、一定の基準値以下となる工事が対象。
※ガラス交換においては、建具の仕様に応じたガラス中央部の熱貫流率の基準値以下の製品も対象。

補助額・補助上限

  • 補助額:各3,000円~45,000円※
  • 補助上限:原則、1戸あたり30万円※※

※工事内容や窓の性能区分、サイズによって異なります。
※※所定の条件を満たした場合、最大60万円まで引き上げ。

既存住宅における断熱リフォーム支援事業

既存住宅における断熱リフォーム支援事業では、住宅のエネルギー消費効率の改善と低炭素化を目的として、高性能建材を用いた断熱工事に対して、補助金を支給しています。

補助対象となる製品 (ドアのリフォームの場合)

  • 公益財団法人北海道環境財団が定める要件を満たし、財団に登録されているガラス・窓製品

補助率及び補助金の上限額

  • 補助率:補助対象経費の1/3以内
  • 補助金の上限額:戸建て住宅1戸あたり120万円、集合住宅1戸ごとに15万円

窓リフォームで失敗しないために信頼できるリフォーム会社に相談しよう

窓のリフォームには、住まいを快適にするさまざまな効果が期待できます。窓のリフォームで、断熱性や防音性、防犯性を高めれば、安全で安心な住まいづくりができるでしょう。

窓のリフォームは工事内容の幅が広いため、リフォームの目的を明確にしたうえで、お住まいに適した工事内容を選ぶことが重要です。窓のリフォームでお悩みの際は、まずは実績豊富なリフォーム会社に相談することから始めてみてはいかがでしょうか?

タイトルとURLをコピーしました