外壁リフォームの費用・補助金まとめ!おしゃれに仕上げるポイントも解説

外まわりリフォーム

外壁は住まいの見た目を左右する重要なポイントです。しかし「年月とともに劣化が目立ってきた」「リフォームしたいけれど、どうしたらいいかわからない」とお悩みの人も多いのではないでしょうか?

そこでこの記事では、外壁リフォームについて詳しく解説します。外壁の種類やリフォームのタイミング、工事内容ごとの費用相場などを詳しく紹介しています。外壁塗装で使える補助金制度やリフォームでおしゃれな外観に仕上げるポイントなども解説しているので、ぜひ参考にしてください。

外壁の種類とリフォーム周期

外壁は使用される素材ごとに、特徴やリフォームの周期、耐用年数が異なります。リフォームを検討する際は、まずは外壁材ごとの特徴を理解しておくことが大切です。

ここからは、一般的な住宅に多く使用される外壁材について解説します。

サイディング

サイディングとは、住宅の外壁に使用される板状の外壁材の総称です。あらかじめ工場で一定のサイズに加工されているサイディングは、品質が安定していることや種類やデザインが豊富に用意されていること、工期を短く押さえられることが特徴です。

サイディングは使用される素材によって、大きく次の4種に分かれます。

  • 窯業系サイディング
  • 金属系サイディング
  • 木質系サイディング
  • 樹脂系サイディング

それぞれについて詳しく解説します。

窯業系サイディング

窯業系サイディングとは、繊維質を練りこんだセメントを成形して作られた外壁材です。住宅の外壁材として多く使用されており、豊富なデザインや強度や耐火性の高さが魅力です。

ただし、窯業系サイディング自体は防水性が低いため、防水性を保つために表面塗装の定期的なメンテナンスが必要になります。

  • リフォームの周期:7~10年毎に塗装・コーキング補修を行う
  • 耐用年数(張り替えの目安):20~40年

金属系サイディング

金属系サイディングとは、ガルバリウムやアルミニウム、ステンレスなどの鋼板を使用した外壁材のことです。ガルバリウムとは鉄板にアルミニウムと亜鉛、ケイ素を吹き付けた金属素材です。

金属系サイディングは、断熱性や耐震性が高く、ひび割れしにくいことが特徴です。また、メタリックな質感がスタイリッシュな雰囲気を演出してくれることも魅力といえます。
ただし、表面が傷つくとサビが出やすく、また窯業系サイディングよりも価格が高くなりやすいことに注意しましょう。

  • リフォームの周期:10〜15年毎に塗装・コーキング補修を行う
  • 耐用年数(張り替えの目安):20〜40年

木質系サイディング

木質系サイディングは、天然の木材の板に塗装を施した外壁材です。天然木材ならではの、ぬくもりのある質感や経年によって変化する味わいが魅力的です。また、断熱性も高く快適な室内温度を保つ役割を果たします。

しかし、天然木材ゆえに腐食に弱く、防火性も低いことがデメリットです。そのほかのサイディングに比べて価格が高くなることからも、日本の住宅ではあまり多く使用されていません。

  • リフォームの周期:3~10年毎に塗装・コーキング補修を行う
  • 耐用年数(張り替えの目安):15~40年

樹脂系サイディング

樹脂系サイディングは、日本ではなじみの少ない外壁材ですが、北米では広く使用されています。

塩化ビニル樹脂を原料とした外壁材で、凍害・塩害に強く、耐久性と耐候性の高さが特徴です。また、色あせしにくく頻繁なメンテナンスが不要であることから、日本でも徐々に注目されてきています。

ただし、まだまだ取り扱っている業者は少なく、デザインも限られていることがデメリットです。

  • リフォームの周期:基本的には10~30年ほど塗装が不要、必要に応じてコーキング補修を行う。
  • 耐用年数(張り替えの目安):20~50年

モルタル

モルタルとは、セメントと砂、水を混ぜたものを成形した外壁材で、意匠性が高く独特な風合いが魅力的です。工場で加工されるサイディングとは異なり、職人が現場で仕上げるため、独自性の高いマイホームを目指したい人におすすめです。

ただしモルタルは、ひび割れが発生しやすく、適切なメンテナンスを行っていないと雨漏りや躯体の腐食を引き起こす可能性があります。またカビや汚れが付きやすいことから、定期的なメンテナンスが必要です。

  • リフォームの周期:5~10年毎に塗装を行う
  • 耐用年数(張り替えの目安):30年前後

ALCパネル

ALCパネルとは、高温高圧蒸気養生でつくられる軽量気泡コンクリートでできた外壁材のことです。

ALCパネルには厚型と薄型の2種類があり、住宅の構造によって使用されるタイプが異なります。サイディングのように工場で加工されたパネル材で、耐久性と耐火性に優れており、火事でも燃えず有毒ガスの発生もありません。

ただしALCパネルは気泡のある素材のため吸水性が高く、水による劣化を防ぐためには、定期的に塗装を行う必要があります。

  • リフォームの周期:10〜15年毎に塗装・コーキング補修を行う
  • 耐用年数(張り替えの目安):50〜60年

タイル

粘土を主成分としたタイルは、高級感と重厚感のあるデザインが特徴で、おしゃれな外観を目指したい人におすすめの外壁材です。

傷やよごれがつきにくく、耐久性、耐火性も高いですが、目地部分のコーキングが劣化すると防水性が低下してしまいます。また、パネルを張り合わせるサイディングやALCパネルに比べて施工の手間がかかるため、初期費用が高くなりやすい点にも注意が必要です。

  • リフォームの周期:8~10年毎にコーキングの補修を行う
  • 耐用年数(張り替えの目安):30〜40年

コンクリート

コンクリートとは、水と砂、砂利を混合して固めた外壁材です。型枠に流し込んで成形するため、希望の形に施工できる点が特徴です。さらに、気密性や防音性、耐久性が高く、熱を蓄積するという特性もあります。

スタイリッシュな見た目も魅力のひとつですが、そのほかの外壁材に比べると重量が重く、地盤の改良が必要になる場合もあります。また断熱対応が施されてない場合、外気の影響を受けやすいため、冬場は室内が冷えやすい点に注意しましょう。

  • リフォームの周期:8~10年毎に塗装を行う
    ※張り替えではなく定期的な塗装や補修でメンテナンスを行う

外壁にこんな劣化サインがあったら外壁リフォームを検討しよう

基本的には、上記でご紹介したリフォームの周期に合わせて塗装やコーキング補修などのメンテナンスを行いますが、以下のような劣化サインが見られた場合は、早めにリフォーム会社に相談することが大切です。

  • ひび割れ
  • チョーキング(表面を触ると粉状のものが手に付着する現象)
  • コーキングの劣化
  • よごれやサビ、藻の発生

また、見た目にはわからない内部の劣化が生じている可能性もあります。基本的には「10年」をひとつの目安に、プロに調査を依頼するのがおすすめです。

外壁リフォームの工事内容と費用相場

外壁の劣化を修繕するリフォーム工事としては、次の4つがあげられます。

工事内容費用相場
コーキング補修20万円~25万円
外壁塗装60万円〜180万円
外壁の重ね張り(カバー工法)130万円~220万円
外壁の張り替え150万円~300万円

※一般的な2階建ての住宅を想定

それぞれの工事内容について、詳しく見ていきましょう。

コーキング補修

コーキングとはサイディングやALCパネル、タイルの目地を埋めるもので、モルタルのひび割れ修復にも使用されます。外壁リフォームにおけるコーキングの補修には、2つの方法があります。

  • コーキングの打ち替え
  • コーキングの増し打ち

コーキングの打ち替えとは、既存のコーキング材を撤去して新しいコーキング材を打ち込む工事です。劣化した部分を取り除くことができるので、耐久性の向上が期待できます。外壁のコーキング補修というと、この「打ち替え」を行うのが基本です。

それに対してコーキングの増し打ちとは、既存のコーキング材の上に新しいコーキング材を重ねて補修する方法です。古いコーキング材の撤去作業がないため、打ち替えよりも費用は安くなります。

増し打ちは、サッシ周りのコーキング補修で採用されることがあります。サッシ周りのコーキングの下には、防水紙が施されていますが、古いコーキングの撤去作業を行うと防水紙を傷つけてしまう可能性があるためです。

ただしコーキングの増し打ちは、既存のコーキングと新しいコーキングがなじまずに、施工後にはがれてしまうといったリスクもあります。古いコーキング補修を行う際は、補修場所や既存のコーキングの状況などを見たうえで、リフォーム会社と相談して適切な方法を選択しましょう。

外壁塗装

外壁塗装とは、既存の外壁材の上から塗料を塗る作業です。

外壁塗装に使用する塗料には、主に次の4つの種類があり、それぞれにメリット・デメリット、耐用年数が異なります。それぞれの特徴を理解したうえで、ご自宅に適した塗料を選ぶことが大切です。

塗料の種類メリット/デメリット耐用年数
アクリル系塗料メリット
・発色がよい
・カラーバリエーションが豊富
・費用が安い

デメリット
・紫外線で劣化しやすい
・ひび割れしやすい
・塗り替え頻度が高い

5~8年前後
ウレタン系塗料メリット
・ひび割れしにくい
・カラーバリエーションが豊富
・木材やビニル素材にも塗装可能

デメリット
・紫外線で劣化しやすい
・塗り替え頻度が高い

7~10年前後
シリコン系塗料メリット
・カラーバリエーションが豊富
・紫外線に強い
・比較的耐用年数が長い

デメリット
・ややひび割れしやすい
・重ね塗りしにくい

8~12年前後
フッ素系塗料メリット
・耐用年数が長い
・耐候性が高い

デメリット
・価格が高い
・製品によって耐久性に差がある

13~15年前後

外壁の重ね張り(カバー工法)

外壁の重ね張りとは、既存の外壁材の上から新しい外壁材を張る方法で、カバー工法とも呼ばれています。既存の外壁材を撤去する手間や費用を省けるため、張り替えよりも工期やコストを抑えられることがメリットです。また外壁材が二重になることで、断熱性や防音性の向上が期待できます。

ただし、重ね張りした外壁の間に湿気が溜まり、結露が生じやすくなることがあります。また既存の外壁材や下地が劣化している場合は、重ね張りはできません。

さらに建物全体の重量が重くなるため、地震が起きた際には揺れを感じやすくなることもデメリットのひとつです。そのため重ね張りを行う際は、比較的重量の軽い金属系サイディングを使用するのが一般的です。

外壁の張り替え

外壁の張り替えでは、既存の外壁を解体して新しい外壁材に張り替えます。

既存の外壁材を撤去するので、内部の劣化状況を確認し、必要に応じて補修を行うことも可能です。既存の外壁の劣化が著しく、また内部の劣化も懸念される場合は、重ね張りではなく張り替えを選択しましょう。

ただし、外壁の張り替えでは、既存の外壁の解体・撤去、下地の補修といった作業が発生するため、重ね張りよりも工期が長くなり、費用も高くなります。

外壁リフォームで利用できる補助金

外壁のリフォームには数十万円から、場合によっては数百万円の費用がかかります。少しでも費用を抑えたい場合は、補助金制度の利用を検討しましょう。

補助金には、国が実施しているものと自治体が実施しているものがあります。2022年10月現在、国が実施する補助金制度の中で、外壁のリフォームが対象になっているものとしては「こどもみらい住宅支援事業」があげられます。

ここからは、こどもみらい住宅支援事業の内容と、自治体の補助金制度の事例(本記事では鹿児島市と垂水市)を紹介します。

※補助金に関する記載は2022年10月現在の情報です。最新の情報については、各公式サイトにてご確認ください。

こどもみらい住宅支援事業

「こどもみらい住宅支援事業」は、子育て世帯の支援と2050年カーボンニュートラルの実現を目指した事業であり、省エネ住宅の取得や省エネ改修に対する補助を行っています。注文住宅の新築や分譲住宅の購入においては、子育て世帯と若者世帯が対象となっていますが、リフォームではリフォームを行う住宅の所有者であれば、子育て世帯・若者世帯でなくても補助金の対象になります。

さまざまなリフォーム工事が対象となっていますが、外壁においては下記内容が補助金の対象です。

  • 外壁、屋根・天井又は床の断熱改修
    こどもみらい住宅支援事業の事務局に登録された製品を使用し、外壁、屋根・天井または床の部位ごとに、一定の使用量以上の断熱材を利用した改修工事。

鹿児島市 安全安心住宅ストック支援事業

鹿児島市の「安全安心住宅ストック支援事業」とは、既存住宅の安全性を確保し、安心な住まいづくりを促進する事業であり、住宅の耐震診断、耐震改修工事及びリフォームにかかる費用の一部を補助しています。

所定の条件を満たすことによって、主に以下のリフォーム工事が補助金の対象となります。

  • 断熱改修工事
  • 外壁、屋根塗装工事
  • そのほか屋内のリフォーム工事 など

垂水市住宅リフォーム促進事業

「垂水市住宅リフォーム促進事業」とは、地域経済の活性化と快適な住環境の整備及び子育て世帯を支援するために、垂水市内の住宅リフォーム促進事業登録工事業者を利用した住宅のリフォーム工事に対して補助金を交付する事業です。

外壁リフォームにおいては、所定の条件を満たすことで下記の工事が補助金の対象となります。

  • 外壁の塗り替え・塗装
  • 外壁の張り替え
  • ひび割れ補修
  • 外壁モルタル剥離・剥離部分の補修
  • 外壁の漏水防止に伴う補修

外壁リフォームをおしゃれに仕上げるポイント

外壁のリフォームは、住まいのイメージを刷新してくれます。そこでここからは、外壁リフォームでおしゃれなマイホームを実現するためのポイントについてご紹介します。

デザインテイストを決める

外壁のリフォームを行う際は、最初にイメージするデザインのテイストを決めておきましょう。代表的なテイストには、以下のようなものがあげられます。

  • シンプルモダン
  • 和モダン
  • ナチュラル
  • 洋風
  • 北欧風 など

外壁材や塗装のカラーによって、デザインのイメージは大きく変わります。外壁リフォームでおしゃれな住まいを目指すためには、工事内容を決める前に施工事例などを見ながら、お好みのデザインテイストを絞り込んでおくことが大切です。

外壁の素材感にこだわる

外壁材の中でも、窯業系サイディングはデザインが豊富で、イメージするテイストに合わせた外壁材を選べます。また金属系サイディングは、メタリックな質感がスタイリッシュでモダンな雰囲気を演出してくれるでしょう。

古くから使用されているモルタルは、あたたかみのある風合いが特徴的で、ナチュラルテイストの外観にぴったりです。

このように、目指すデザインテイストに合わせて、外壁材の種類や質感にこだわってみるのも、おしゃれに仕上げるポイントのひとつです。
ツートンカラーやアクセントカラーを採用する
外壁塗装で住まいの外観を一新したい場合は、ツートンカラーやアクセントカラーを取り入れたデザインを採用してみるのはいかがでしょうか。

1階と2階で外壁の色味を分けるツートンカラーは、重厚感のある雰囲気を演出し、住まいを大きく見せてくれる効果も期待できます。また、外観の凹凸に合わせて縦方向に塗り分けるツートンカラーは、すっきりとした印象で、スタイリッシュな雰囲気に仕上がります。

バルコニーの部分だけなど、一部分にアクセントカラーを入れるデザインも人気です。アクセントカラーを上手に取り入れることで、家の外観に奥行きが生まれ、よりおしゃれなイメージを実現できます。

屋根の色味との組み合わせを考える

外壁をリフォームする際は、屋根の色味やサッシの質感など、そのほかの外観パーツとの相性を考えることも大切です。

リフォーム会社によっては、住まいの外観写真をデータで取り込み、外壁塗装を施したイメージをシミュレーションできる場合もあります。こういったシミュレーションツールを用いて、既存の外観パーツとの相性を確認してみるのもおすすめです。

また「外壁塗装と同時に屋根塗装を行う」という選択肢もあります。同時に塗装を行うことで、外壁と屋根のカラーコーディネートも実現できるでしょう。

外壁リフォームでで失敗しないために信頼できるリフォーム会社に相談しよう

年月とともに汚れや劣化が目立ち始める外壁は、住まいの機能性や快適性を保つためにも、リフォームで定期的なメンテナンスを行いましょう。外壁リフォームにはさまざまな工事がありますが、住まいの状態に合わせて適切なリフォームを選択することが大切です。

外壁リフォームをご検討中の方は、まずは実績豊富なリフォーム会社に相談してみることから始めましょう。

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